不動産業界、特に営業の厳しさ、怖さを垣間見たお話です
前回、あまりのマイナス収支に怖気づき、お断りしたものの、新卒営業マンが上司に頑張って交渉するというので、もう一度お話を聞くことになったわけですが。。。
不動産営業の厳しさを垣間見た…
zoomを立ち上げ、画面をみてびっくり。
前回は私と新卒営業マンの2画面しかなかった。
ところが、なぜか4画面もある。
一つは前回の新卒営業マン。
もう一つは明らかに彼の上司。
見た目からして典型的不動産営業マンスタイルとでも言うべき、ゴリゴリツーブロック(しかもLDH所属並みの色黒!)で高そうなスーツを着たコワモテ上司が画面にいる。
さらにさらに、「会議室」という表示名でカメラオフ状態の画面まである。
え、これって、もしかして他の人たちが会議室でモニタリングしてたりする??
一体この会議室の向こうには何人いるのー--??💦💦
こ、こ、こわー-!!!怖すぎるんですけどー!!
すぐには状況が把握できなかったため、マイクはオンにはしていたものの数十秒ほど絶句していた。
普通なら「聞こえてますかー?」とかなんとか言いそうなものだけど、新卒営業マンはほんわか系なのか天然なのか本当に”何もせずに待機”している。
するとゴリ上司(ゴリラ上司ではないですよ…)がおもむろにタイピングしはじめた。
たぶん「なにかしろ!」とチャットで指示でも飛ばしたんでしょう。。。
そんなこんなで2回目の面談スタート。
ゴリ上司と会議室については何も触れずに。。。(ノーコメント?うそでしょ…?)
新卒ほんわか営業マンの営業テクニックが、ゴリ上司&会議室の人たちの厳しい目にさらされるという地獄のような時間が始まりました。
提案してきたリベンジ物件は…
前回提案された物件は、新築ワンルームマンションだったため、当然ですが収支はマイナス。
マイナス収支は検討から外していたので「お断り」しました。
そして今回。
「上司と交渉していい物件提案する」と言うから面談したのに。
提案してきた物件は・・・
- 物件価格 2550万円(中古)
- 借入金 2420万円(頭金130万円)
- 家賃 84,600円 (管理費7,880円、修繕積立金10,000円)
- 毎月の収支 84,600-80,165(ローン返済35年2%)-17,880=-13,445円
えーっと?前回の面談の時、私の話、聞いてました??
確かに前回の提案物件の収支(-14858円/月)よりは若干マシに見えますけど…。
頭金130万円も出してるのにマイナス収支になってるって、どう考えても前の物件より悪いじゃないのよ。。。
さらに今回は彼の物件紹介の方法も本当にひどかった。
紹介する物件の情報が載っているマイソクというものがあり、そこには家賃や管理費・修繕積立金、物件の立地や築年数などあらゆる情報が記載されていて、概要が一目でわかるようになっている。
そのマイソクを見せることなく、いきなり物件価格と毎月の収支の話をし始め、「月々このくらいのマイナスで物件が持てるとしたらどうですか?よくないですか?」と言ってきたのだ。。。
いくらなんでもひどすぎる。
こんな収支、都内一等地とかならまだ考える余地があるかもしれないけど、首都圏のさびれた駅前物件とかだったら、絶対ナシ物件じゃない。。。
そのへんの情報もなしに「どーですか?」はないでしょ~。。。
さすがに「どんな物件かもわからないのに収支だけで判断できるわけない」と伝え、マイソクを見せてもらうことに。
そのマイソクでやっと以下のスペックを把握
- 墨田区 最寄駅から徒歩4分
- 築10年 25m2
- 現況賃料 94,000円 (収支シミュレーションでは84,600円)
- 管理費 7,880円
- 修繕積立金 1,080円 (2021年11月より9,070円に値上げ予定)
いやいやいや、これ見せないでよくさっきの収支シミュレーション出したなぁ。。。
まず、しれっと賃貸管理費用として家賃の10%も取ってるじゃないの。
さすがに10%も取っておいてサブリースじゃないってことはないと思うけど、この費用に触れずによくもまぁ収支の話ができたもんだわ。。。
修繕積立金だってたった10年で10倍ってそんなことある??
たいてい段階的に上がっていかない??
まぁ総戸数がかなり少ないので(30戸以下)、ある程度高くなるのはしょうがないとしてもここまで上がってるとなると、これまでの修繕積立金の履歴を確認しないと怖いわー。
まずは、修繕積立金がなんでこんなに急激に上がるのか聞いてみました。
新「えーっと…ちょっとそこは、確認不足で…自分も…わから…か、確認します」
しょっぱなの質問からわからないんかーい。
すると、さすがに見かねたゴリ上司が助け舟。
修繕積立金の値上がりは長期修繕計画通りであることなどを説明。
新「こういった感じで…物件の詳細はこんな感じです。プランに戻りますね」
…どういう指示をされたのかわかりませんが、もう彼は収支プランの話をすることでいっぱいいっぱいなんでしょうね。。。
紹介する物件の情報が頭に入ってないってのは営業としてはどうかと思うぜよ。。。
収支シミュレーションのプラン画面に戻り、月々の収支の他に、節税がどうたらとか、おそらく彼が話そうとしていた内容をただただしゃべり続けたのでした。
上司、本格参入
収支シミュレーションになってから、いろいろ気になった部分を聞いていきました。
ただ、結局新卒営業マン君はほぼしっかり答えられないため、見かねた上司が本格的に参入。
ゴリ上司は見た目とは裏腹に話し方はものすごく柔らかい感じで好印象。
(お客さんに対してだけでしょうけど…)
これまでの話の流れをぶった切って、「そもそもどういったきっかけで不動産に興味もったのか?」などのアイドリングトークから新たに開始。
ついには、新卒営業マン君の画面共有を解除して、ゴリ上司の画面共有して本格的なプレゼン開始。
マイソクだけでなくパンフレットも使って流れるようなわかりやすい物件の説明。
手書きのメモ機能を使いながら、図解しながら不動産投資のメリットを改めて説明。
この物件を買うかはともかく、「不動産投資の運用の考え方」や「都内駅ごとのリセールバリュー変遷」などはとても勉強になりました。
ゴリ上司の独壇場となった約1時間、新卒営業マン君の存在はすっかり「無」でした。
営業はやっぱり経験値?
さすがに優秀なゴリ上司と新卒営業マン君を比べるのはかわいそうだとは思うけど…
それにしても、違いすぎました!
何を質問しても、立て板に水。
すらすらと答えが返ってくるし、こちらが期待した答え以上の答えがしっかりとしたデータを提示しながら返ってくるので、感心しきり。
だてにツーブロックで黒光りしてるわけじゃないんだなぁ✨
あとは根本的に「商品に対する理解度」がゴリ上司は圧倒的でした。
自分もこんな仕事のできる上司になれたらいいなぁ。。。
とはいえ、やはり購入は見送りました。
マイナス収支が気になった、というのもありますが、決定的だったのは、ゴリ上司が新卒営業マン君をフォローするつもりで放った一言。
「かねぺん様もお分かりかの通り、〇〇(新卒営業マン君)新卒なんですよ(笑) 正直売れてるわけじゃないです。ただ頑張ってるんです。もちろんボクもフォローしますし、〇〇の初めてのお客様というのはいかがですか?〇〇の初めてというのはプラスになると思うんです。」
・・・え、きっっっも!!
やばいやばい。普通にきもいんですけどー💦💦
新卒営業マン君の初めてのお客ってことの何がどんなふうにプラスなの?
むしろ、大切な資産形成を新卒に任せるなんて、それこそ不安しかないわ。。。
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